
【この記事の結論:一番にお伝えしたいこと】
テナントが営業中のビルでも、雨漏り調査は実施可能です。
調査方法や時間帯を工夫し、事前にテナントへ丁寧な説明を行うことで、営業を止めずに原因特定まで進められるケースがほとんどです。
特に赤外線サーモグラフィ調査と無足場工法を組み合わせることで、営業中のビルでも短時間・非破壊で調査でき、テナントへの負担を最小限に抑えられます。
本記事では、調査前の確認事項からスケジュール調整のコツ、テナントへの説明の仕方、対応を誤った場合のリスクまで解説します。
テナント営業中のビルで雨漏り調査はできるのか
「営業中のテナントがいるので雨漏り調査は難しいのでは」と感じるオーナー・管理会社様は少なくありません。
しかし実際には、調査方法や進め方を工夫することで、営業を止めずに実施できるケースが大半です。
「営業を止めないと調査できない」は誤解
雨漏り調査というと、大掛かりな工事を伴うイメージを持たれがちですが、目視調査や赤外線サーモグラフィ調査であれば、店舗や事務所を稼働させたまま実施できます。
営業中であっても、調査員が短時間巡回する程度であれば、来店客や業務への影響はほとんどありません。
散水調査など、水を使用して雨漏りを再現する調査の場合は、テナント内での作業や音・水の飛散が発生するため、時間帯の調整がより重要になります。
大切なのは「調査=営業を止めるもの」と決めつけず、まずはどの調査方法であれば営業への影響を抑えられるかを専門会社に相談することです。
建物の構造やテナントの業態によって最適な進め方は異なるため、早い段階で相談いただくほど、選べる選択肢も広がります。
調査方法によって営業への影響度は異なる
調査方法ごとに、営業への影響度や所要時間は異なります。事前に把握しておくことで、テナントとの調整もスムーズになります。
| 調査方法 | 営業への影響 | テナント内への立ち入り |
|---|---|---|
| 目視調査 | ほぼなし | 必要な場合が多い(短時間) |
| 赤外線サーモグラフィ調査 | 少ない | 必要な場合が多い(短時間) |
| 散水調査 | やや大きい | 必要(作業時間が長め) |
調査を依頼する前に確認しておきたいこと
スムーズに調査を進めるためには、依頼前の情報整理が重要です。
ここでは、調査会社に相談する前に確認しておきたい3つのポイントを紹介します。
発生している症状とテナントからの報告内容を整理する
まずは、テナントから報告のあった症状(発生日時、天候、場所、頻度など)を整理しておきましょう。
複数のテナントから報告がある場合は、フロアごと・区画ごとに情報をまとめておくと、調査会社への説明がスムーズになります。
なお、天井のシミが雨漏りによるものか、給排水設備からの漏水によるものか判断がつかない段階でも、調査のご相談は可能です。
「ビルの天井のシミは雨漏り?漏水?見分け方と赤外線調査でわかる原因特定の仕組み」
「雨漏り調査の「当日の流れ」完全ガイド|お問い合わせから報告書受け取りまでの全ステップ」
調査可能な曜日・時間帯をテナントに事前確認する
次に、各テナントの定休日や営業時間、比較的空いている時間帯を確認しておきましょう。
特に複数テナントが入居するビルでは、フロアによって営業スケジュールが異なることも多いため、一覧化しておくと調整がしやすくなります。
共用部・専有部どちらに立ち入りが必要か把握する
雨漏りの疑いがある箇所が共用部(廊下・屋上・外壁など)なのか、専有部(各テナントの内装部分)なのかによって、必要な調整範囲が変わります。
専有部への立ち入りが必要な場合は、テナントの事前承諾が欠かせないため、早めに調査会社と相談しておくことをおすすめします。
また、共用部のみで調査が完結する場合は、テナントへの立ち入り調整自体が不要になるケースもあります。オーナー・管理会社様側で判断がつかない場合も、まずは症状の内容を伝えていただければ、調査範囲の見立てについてもご案内が可能です。
営業を止めずに調査を進めるためのスケジュール調整のコツ
調査に必要な情報が整理できたら、次は具体的なスケジュール調整です。
ここでは、営業への影響を最小限にするための3つの工夫を紹介します。
定休日・閉店後の夜間時間帯を活用する
飲食店や小売店であれば、定休日や閉店後の夜間時間帯を活用することで、営業中の作業を避けることができます。
ただし、夜間調査は照明や騒音への配慮が必要になるため、近隣テナントや住民への事前案内も忘れずに行いましょう。
特に住居と店舗が混在する複合ビルでは、夜間の作業音が上下階の入居者に伝わりやすいため、事前案内の範囲をテナントだけでなく建物全体に広げておくとトラブルを防ぎやすくなります。
フロアごと・区画ごとに調査日を分ける
ビル全体を一度に調査するのではなく、フロアや区画ごとに日程を分けて実施する方法も有効です。
各テナントの都合に合わせて調査日を調整できるため、営業への影響を分散させることができます。
赤外線調査なら営業中でも短時間で実施しやすい
赤外線サーモグラフィ調査は、建物の表面温度を撮影するだけの非接触・非破壊の調査方法のため、営業中であっても短時間で完了しやすいという特徴があります。
店舗の什器や商品に触れることなく調査できる点も、テナントにとって安心材料となります。
テナント・入居者への説明で押さえておきたいポイント
調査をスムーズに進めるためには、テナント・入居者への説明も欠かせません。
説明が不十分だと、調査そのものがトラブルの原因になってしまうこともあります。
調査の目的と所要時間をあらかじめ伝える
調査の目的(原因特定のための建物診断であること)と、おおよその所要時間を事前に伝えておきましょう。
目的が明確に伝わっていないと、テナント側に不要な不安を与えてしまうことがあります。
「建物の不具合を確認するための定期的な点検の一環である」といった伝え方をすることで、テナント側も前向きに協力しやすくなります。
調査当日の立ち入り範囲・作業音について説明する
立ち入りが必要な範囲(店内のどのエリアか)や、作業に伴う音の有無についても、事前に共有しておくと安心です。
特に赤外線調査は静音で実施できることが多いため、その点を伝えるだけでもテナント側の不安を和らげられます。
クレームに発展させないための報告タイミング
調査結果は、判明した時点でできるだけ早くテナントへ報告することが望ましいです。
報告が遅れると、「何も対応してもらえていないのでは」という不信感につながり、クレームに発展しやすくなります。
調査完了後すぐに全ての結果が判明しない場合でも、途中経過や今後のスケジュール見込みを一度伝えておくだけで、テナント側の安心感は大きく変わります。
無足場工法(ブランコ作業)が営業中のビルで有効な理由
屋上や外壁まわりの調査が必要な場合、通常の足場設置は営業中のビルにとって大きな負担となります。
ここでは、無足場工法が営業中のビルに適している理由を解説します。
足場設置による営業・景観への影響を避けられる
足場を設置すると、店舗の看板やショーウィンドウが隠れてしまい、営業中の集客に影響を与えることがあります。
無足場工法(ブランコ作業)であれば、足場を組まずに外壁や屋上まわりの調査ができるため、こうした景観・集客への影響を避けられます。
工期短縮によりテナントへの負担を最小限にできる
足場の設置・解体には一定の日数がかかりますが、無足場工法ではその工程が不要なため、調査全体の工期を短縮できます。
結果として、テナントへの負担期間も短くなります。
さらに、足場を使用しないことで工事中の騒音や振動も抑えられるため、店舗の営業時間中に作業を行っても来店客への影響を小さくできるという利点もあります。
調査後、補修工事が必要になった場合の進め方
調査によって原因が判明した後は、補修工事の進め方についてもテナントとの調整が必要になります。
ここでは、補修工事を進める際の基本的な考え方を紹介します。
営業を止めない部分補修と全体補修の判断基準
原因箇所が限定的であれば、その部分だけを補修する部分補修で対応できる場合があります。
一方で、劣化が広範囲に及んでいる場合は、全体補修が必要になり、工事期間中の営業調整がより重要になります。
判断に迷う場合は、調査報告書に記載された原因箇所の範囲や劣化の進行度をもとに、優先順位をつけて段階的に補修を進める方法もあります。
補修スケジュールもテナントと事前調整する
調査と同様に、補修工事についても定休日や夜間時間帯の活用、フロアごとの日程分割などを検討し、事前にテナントへ共有しておきましょう。
工事内容と期間をあらかじめ提示することで、テナント側も営業計画を立てやすくなります。
テナント対応で誤ると起こりやすいトラブル
雨漏り調査・補修におけるテナント対応を誤ると、単なる建物トラブルにとどまらず、契約関係にも影響が及ぶことがあります。
ここでは代表的な2つのトラブルを紹介します。
説明不足による営業妨害クレーム
事前説明が不十分なまま調査や工事を実施すると、「営業を妨害された」というクレームにつながることがあります。
特に、事前に聞いていた内容と実際の作業内容・時間が異なると、不信感がより大きくなる傾向があります。
こうしたトラブルを防ぐためには、調査会社任せにせず、オーナー・管理会社様からもテナントへ一言連絡を入れておくと、当日の受け入れがよりスムーズになります。
調査の遅れが賃料減額交渉に発展するケース
雨漏りの発生から調査・対応までの期間が長引くと、テナント側から賃料減額の交渉を受けるケースもあります。
原因特定や対応の記録を残しておくことは、こうした交渉における重要な材料にもなります。
「いつ報告を受け、いつ調査を依頼し、いつ結果が判明したか」という時系列の記録を残しておくことが、テナントとの信頼関係を保つうえでも重要なポイントになります。
「【東京・賃貸経営】雨漏り対応を間違えると家賃減額?オーナーを守る「原因特定」と「証拠保全」の鉄則」
「【管理会社必見】テナント物件の雨漏りによる損害賠償リスクと初期対応・根本解決の完全マニュアル」
テナント営業中のビルの雨漏り調査に関するよくある質問(Q&A)
Q. テナントが営業中でも、調査当日に店舗を閉める必要はありますか?
A. 目視調査や赤外線サーモグラフィ調査であれば、営業中でも閉店せずに実施できるケースがほとんどです。散水調査など、水を使用し作業時間が長くなる調査の場合は、定休日や閉店後の時間帯での実施をご提案することがあります。
Q. 複数のテナントが入っているビルでは、調査に何日くらいかかりますか?
A. フロア数やテナント数、疑われる原因箇所の数によって異なります。フロアごとに日程を分けて実施することも可能ですので、各テナントの営業スケジュールに合わせた進め方についてご相談いただけます。
Q. テナントへの説明資料として、調査結果を活用することはできますか?
A. はい、調査後に発行する報告書は、テナントへの状況説明や、今後の対応方針を共有する資料としてもご活用いただけます。原因箇所や調査手法を明記した報告書があることで、テナント側の納得も得やすくなります。
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テナント様の営業を止めずに調査を進めたいというご要望にも、これまでの実績をもとに対応いたします。
赤外線サーモグラフィ調査と無足場工法(ブランコ作業)を組み合わせることで、短時間・非破壊での原因特定が可能です。
フロアごとのスケジュール調整や、テナント様への説明資料のご用意についてもご相談いただけます。
まずはお気軽にお問い合わせください。